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広島アスリートアプリ連載コラム

連載コラム 二宮清純[追球カープ]

 

《プロ”共痛”の悩み》

 

「メディカルテストをやって右肩を痛めていることがわかったんです。即戦力内野手として期待していたので、そりゃショックですよ」

ある巨人に近い関係者から、そんな話を聞いた。

岐阜の中京学院大からドラフト1位で入団した吉川尚輝のことである。カープの菊池涼介の後輩にあたる。

 

先の関係者が続ける。

「大学時代の映像を見ると、ショートからファーストに山なりのボールを投げていた。これは、それ程レベルの高いリーグではないということで、多少手を抜いているのかと思っていた。ところが肩の痛みが原因だったんですね。まあ大学のリーグなら山なりのボールでもアウトにできますが、プロでは通用しません。早く完治すればいいのですが……」

2月1日から始まるキャンプは3軍からのスタートが決定した。

調整はスローにならざるを得ないだろう。

 

誤解なきよう言うが、この一事をもって吉川の将来性を否定するものではない。

プロと大学では医療系の分野でのサポートのレベルがまるで違う。

ましてやドラフト1位の逸材である。

巨人も総力をあげて完治に向けたバックアップをするだろう。

 

これを「対岸の火事」と切って捨てるわけにはいかない。

この手の話はいくらでもある。

もちろんカープにおいてもだ。

 

もう随分前のことだが、ドラフト上位で指名した社会人出身のピッチャーが、なかなか本領を発揮しない。

実は肩やヒジの故障持ちだったのだが、それが知られるとドラフトで指名されないと思い、隠していたというのだ。

そのピッチャーは程なくしてユニホームを脱いだ。

 

外国人選手なら契約前にメディカルチェックを受けさせることができるが、どこの球団が指名するかわからないドラフトでは、事前に特定の球団がアマの選手にメディカルチェックを強要することはできない。

どの球団も抱える共通ならぬ”共痛”の悩みである。

 

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2017年1月30日 広島アスリートアプリ掲載

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