3年半ぶりに地元凱旋 集大成のシーズンに臨む
早稲田大学 野球部主将 上本 博紀

1986年7月4日生 広島市出身
広陵高ー早稲田大 
172cm 68kg
広陵高では1年夏から4季連続で甲子園出場を果たし、
甲子園通算40打数20安打。
早大に進学後は1年からレギュラーを獲得し、
3年秋までフルイニング出場を続けている。
1年春秋、3年春秋でそれぞれベストナインを獲得。
大学通算100安打まであと13本(春季リーグ前)とし、
新チームでは主将を務めチームを引っ張る。


 3月23日、広島市民球場で行われた早稲田大とシカゴ大との親善試合。小雨が降り続ける中、球場には13,823人もの観衆が詰めかけた。彼らのお目当ては『ハンカチ王子』こと斎藤佑樹投手だけではない。早大には03年に当時2年生ながらトップバッターを任され、広島・広陵高を春の選抜大会優勝に導いた韋駄天がいる。名門野球部の主将となって凱旋した、上本博紀だ。
 「最後の試合を思い出しましたね」。広島市民球場でのプレーは、04年7月22日以来。高校3年の夏、準々決勝で敗れたあの日からひと回りもふた回りも成長した姿を地元のファンに見せつけた。
 『三番セカンド・上本』がコールされると、スタンドからは割れんばかりの歓声が沸き起こる。当時より逞しさを増した上本は声援にバットで応え4安打の大暴れ。「結果が出てホッとしました」。慣れ親しんだ球場を久しぶりに見渡しながら、ベース上で安堵の表情を浮かべた。「自分にとって思い入れのある球場なので懐かしく、原点に帰ることができました。今後もこの気持ちを持ち続けたい」。試合は15−0の大勝。自らの凱旋試合に花を添え、大学野球最終年のスタートを切った。
 広島の地を離れて3年。「新しい環境に飛び込むことに不安はありました。ただ逆に、不安があるからこそひたむきにやっていけると思い(入学を)決めました」。幼さの残る少年は強い決意を胸に早大野球部の門を叩いた。全国から有能な選手が集まる名門で1年からレギュラーを獲得すると、春秋2季連続でベストナインに選ばれるなど入学直後から中心選手として活躍した。「プレッシャーというよりも『試合に出たい』という気持ちが強かった。1年でしたが、自分の中で学年を意識することはなかったですね」。向上心の塊のような男。自身の入学と同時に監督に就任した應武篤良監督から「気楽にやれ」と諭されるほど、野球に対して真摯に取り組んできた。「自分にとっては試合に出場できたことが一番大きかった。実戦の中でいろいろ克服していけたし、経験もプラスになりました」。ひたむきに取り組んだ日々の鍛錬と、1年春から3年秋までフルイニング出場を続けているリーグ戦の豊富な経験が、上本の成長を加速させた。2年時に日本代表に選出されると、3年時には再び春秋でベストナインを獲得。攻守両面でチームを引っ張る活躍で3冠達成に大きく貢献した。
 そして主将として迎える今年は、昨年を上回る成績が期待される。「大きな目標として4冠達成というのがありますが、それは頭の片隅に置いて、まずは春のリーグ戦の優勝を目標に1試合1試合に専念したい」。東京六大学初の4冠を目指し、まずは1冠目の春季リーグ優勝に集中する。
 そしてその先には、新たな目標が設定された。「やるからにはプロ野球という世界でやってみたい」。3年の時を経て、高校時代には未知だった世界を今はしっかり視野に捉えている。
 カープも狙う今年のドラフトの目玉の一人。上本にとって集大成となるシーズンが幕を開けた。

   

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