|
こんなことを言ってはいけないのかもしれませんが、広島から出場校がなかった今年のセンバツは少々物足りないものだったような気がします。2003年の広陵優勝を含め、2000年から昨年まで連続で、広陵、広島商、如水館といった広島県のチームが出場していましたので、仕方ないのかもしれません。
それはそうと、今年のセンバツは第80回の記念大会。いくつかの新たな試みがスタートしました。その中のひとつに開会式で各チームを先導するプラカード担当が変更されたことが挙げられます。夏の甲子園でのプラカード担当が市立西宮の女子生徒であるのに対し、センバツではこれまでボーイスカウトが担当していました。それが今年のセンバツでは出場校の生徒が担当することになったのです。
21世紀枠で出場した山口の華陵は、大会規定で試合への出場が認められていない女子選手がプラカードを持ち、仲間を先導しました。
今回のプラカード担当を含め、ベンチ入り出来なかった選手でも甲子園の土を踏むチャンスはいくつかあります。甲子園練習や試合の補助員です。ただしいずれにしても人数は限られています。多くのチームにとって全部員を割り当てるのは不可能です。ではどうするか? 今後主力になるであろう下級生に甲子園の土を踏ませ、甲子園の雰囲気を経験させる。チーム作りを中長期的スパンで考えるとそれも有効な手段だとは思います。
まだ自分が山口の放送局に勤務していた頃の出来事です。夏の甲子園出場を決めたある野球部がミーティングを行っていました。その場で監督がスケジュールと補助員を発表しこう続けました。
「これで3年生はみんな甲子園の土を踏むことが出来るな。下級生はまだチャンスがあるのだから今回は我慢してくれ」。
結果を出すチームには必ずと言っていいほど、ベンチには入れなくてもチームで重要な役割を果たす3年生が存在します。有能なマネージャー然り、熱心な学生コーチ然り、人望のある応援団長然り。チームのムードを盛り上げるのに貢献しているのは彼らです。試合には出られないのにチームに尽くす彼らの「滅私奉公」なくして、センバツにせよ夏にせよ、厳しすぎる甲子園への戦いを勝ち抜くのは困難だと思えます。
注目選手であろうが、女子マネージャーであろうが、ベンチ外のプレーヤーであろうが、野球部に籍を置く生徒にとって甲子園は憧れの地。今回のプラカード担当の変更で、その憧れの地の土を踏むチャンスがひとつ増えたのは、非常にうれしいことだと思います。ただし、このプラカード担当、実は野球部員に限定さ
れたものではありません。ルール上は「出場校から推薦された生徒(男女は問わない)」です。つまり今年のセンバツの入場行進でプラカード担当だった生徒全員が野球部員だったわけではないのです。
誤解のないように申し上げますが、なにも「野球部以外の生徒にプラカードを持つ資格はない」なんて言っているのではありません。入場行進を報道したものを見てみますと、誰もが学校を代表するに相応しい努力をした生徒たちだったようです。
それでも私は思ってしまいます。プラカード担当には、男女を問わずベンチに入れなかった野球部員を推薦して欲しいと。甲子園への想いを共有し、甲子園への道を共に戦った仲間に、ひとりでも多く甲子園の土を踏んで欲しい。これが私の考えです。
|