川崎 公靖

登録番号 4271
B1級
身長:163cm 体重:50kg
血液型:B型
出身地:広島県豊田郡

 川崎公靖、25歳。宮島競艇場期待の若手選手の一人で、今年デビューから4年目を迎える。新進気鋭の青年はA級昇格を目指し、現在B1の舞台で奮闘中だ(※1)。
  広島県豊田郡大崎上島町。瀬戸内海の中央に浮かぶ島で育った川崎は、高校まで野球に没頭していた。本気でカープの選手になることも夢見た。しかし「自分の体格では駄 目じゃろうなぁ」。163cmと小柄な体格にいつしかコンプレックスさえ抱くようになっていた。
  競艇との出会いは高校3年時。父親の知人に勧められるも、正直「キョウテイって何じゃ?」と思った。宮島から鈍行と船で3時間も離れた町で育った少年にとって、競艇は全く無縁のもの。とりあえず一人、宮島競艇に足を運んだ。
  のめり込むのは早かった。もともとバイク好きで400ccを吹かせていた川崎の耳に、つんざくモーター音は心地よく響いた。そして何より嬉しかったのは「小さくても本気になれる世界があった」ということ(※2)。厳しい試験と訓練を乗り越え04年5月15日、地元宮島で水上の戦士となった。
  約3ヵ月後に初勝利。一年半後には準優勝戦に出場するまでのレーサーに成長した。だがこの時、後の更なる飛躍に必要なものの存在に気付くことになった。05年4月30日。唐津でのスポーツ報知杯争奪戦、第4日目。二着以内で優勝戦出場(優出)が決まる大事なレースに臨んだ。6コースから三番手でスタートを切り一周1マークで二番手に浮上。「そのまま無心で走れば優出できたはず。だけど一周2マークで雑念が入ってしまって。『あっ、前艇を抜けそうだ』って…」。期待が脳裏をかすめ全速ツケマイ(※3)で抜きを試みたが、逆に前艇の風圧を受け川崎の艇は大きく外れた。結果 は三着。集中力不足が一瞬の気の緩みを誘い、目前の優出を遠ざけた。更に同時期、トップスタートを逸る気持ちが二度のフライングを招き合計60日間の休場。レースに出場できないためB1最低勝率を下回り、B2級へ降格した。改めて「集中力」の重要性を痛感したのだ。
  それ以来、川崎は本を読むなど精神力強化に励み、勝利への道を切り開こうと必死だ。「どんな時も柔軟性と冷静さを保てるレーサーになりたいんです。今でもミスが多いのは集中し切れていない証拠。A級に早く上がるためにも集中してレースに臨みたい」。
  川崎には訓練生時からの願掛けがある。それは「乗艇する時は絶対に左足から乗ること」。特に理由はないが続ける内に体に染み付いた。「何か良いことが起こりそうな気がするんですよね」。微笑む瞳の先にはA級昇格が待っている。その瞬間を目指し川崎は今日も敬礼後、左足から艇に乗り込む。

※1 「選手級別制度」:選手の級別は、上位からA1、A2、B1、B2の4ランクに分けられる。
※2  競艇選手は、身長170cm以下、体重47kg〜55kgの条件を満たしていなければならない。
※3 ツケマイとは外側にいる選手が自分より内側の選手にピッタリと貼り付いてターンすること。内側の艇はその引き波の影響を間近で受けるため、大幅にスピードを削られ後退してしまう。


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