麻生 慎介

登録番号 4292
B1級
身長:164cm 体重:50kg
血液型:A型
出身地:広島県福山市

 「僕は将来、競艇選手になる」。中学生の頃から固く意を決していた青年の名は、麻生慎介。
  小学生の時、父親に手を引かれ故郷・福山市から最寄の児島競艇場へ何度も足を運んだ。「レーサーの格好とか、水しぶき、エンジン音がかっこよくて。特に1周1マークは迫力があって好きだったんです」。競艇の醍醐味は、何といっても各コーナーでのターン技術。中でも最初の1周1マークが最大の勝負ポイントとなるため、選手たちは豪快かつ俊敏なハンドルさばきでトップ旋回を狙う。麻生はその勇姿に心奪われ、未来の自分の姿をなぞらえてきた。
  それからおよそ10年。今年で23歳になる麻生は宮島競艇場期待の若き水上の戦士として、現在B1級で腕を磨き虎視眈々とA級昇格の機を窺っている(※1)。そしてデビューから4年目を迎えた今、「『勝てる』という自信が持てるようになってきた」と言う。きっかけは地元宮島で自身初の優勝戦出場(優出)を決めたレースだった。
  07年1月17日。初春賞競走最終日。自分以外の選手は全員A級で腕を鳴らす中での大一番を迎えた。注目の1周1マークでは左手力一杯にスロットルレバー(※2)を握り、全速まくりでトップ旋回を試みた(※3)。だが艇が暴れ5位 争いへ後退。それでも1周1マークを過ぎた後からの巻き返しが困難な中、諦めることなく果 敢に攻め続けた。そして二艇並んでのゴール。10分の1秒差で軍配は麻生に上がった。結果 は四着。決して満足できないが「最後まで4位争いに食い込めたことが良かった」と振り返る。初の優出、それも地元宮島という最高の舞台で格上の選手を相手に競り勝てたことが麻生にとって自信となったのだ。それ以来、四節連続での準優勝戦出場を果 たすなど三年目後期(※4)の勝率は5.16と急上昇。A級昇格まであとわずかと迫ってきた。そして4年目前期となった現在は、3節終了時点(6月10日)で勝率4.90、2、3着絡みも増えてきた。宮島のレースで掴んだ自信を力に変え、今まさに飛躍の時を迎えようとしている。
  一見、クール。でも熱い一面もあるからこそ時折見せる笑顔は目映いばかり。「冷静に見えるのはリラックスして自然体でいようと心掛けているからですかね。もちろんやってやる! という気持ちはあります。持ち味は思い切ったターン。そのスピードは誰にも負けたくない」と静かに闘志を燃やす。
  キラキラ輝く水面に映える勝負服。場内に響き渡るエンジン音と舞い上がる水しぶき。少年時代から憧れてきた舞台で日々奮闘を続ける。目指すのは「記念レースで活躍できるG1レーサー」。その鋭い眼差しは子供の頃と同じように競艇場を熱気の渦に巻く水上の戦士、麻生慎介の勇姿を描き続ける。

※1 「選手級別制度」:選手の級別は、上位からA1、A2、B1、B2の4ランクに分けられる。
※2 スロットルレバー:車でいうアクセル
※3 まくり:2コースより外側の艇が、自分より内側の艇を押さえ込む形で、ターンマークを先に回る戦法。
※4 前期が5月1日から10月31日、後期が11月1日から4月30日までとなっている


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